オタクの部屋

漫画とアニメとゲームの日記 月1くらいで書きたいです

素晴らしき日々 〜不連続存在〜 感想

すかぢすげぇ……

 

www.keroq.co.jp

(公式リンク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まえがき

 

 『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』という、数ヶ月前にクリアし非常に楽しめた作品と同一のシナリオライターであるとのことで、
今回は『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』をプレイしました。

  エロゲは常にやっていますが、所謂"シナリオゲー"をプレイするのは数ヶ月ぶり、もとい、『サクラノ詩』以来になります。

 

  当作品は万人に勧めることができないゲーム内容であるため、誰彼構わずおすすめはしませんが、私は非常に楽しめました。製作チームありがとう。

 作者の掌の上で転がされることが好きな人とは相性がいいと思います。

 これは、すごい。

 

 

 そして、偶然にもこのゲームをやりだした直後にこんなツイートが…

 

 

  これですね。
 ちょうど『素晴らしき日々』をやりだした直後のツイートでして、めちゃくちゃタイムリーだったのですよ。
 『かぐや様』はヤンジャンで初期から愛読していたこともあって、その作者である赤坂アカ氏がすば日々に携わっていたとは…すごく驚きました。
 音楽がryo氏なのは、『サクラノ詩』でもそうであったため特別驚くことはなかったです。

 


『サクラノ刻』でもryo氏が曲作ってくれないかなぁ…!

 

 

 

以下、感想
ネタバレあり
(『サクラノ詩』にも少々触れます)

 

 

 

 

 

 

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私の攻略順

 

 

水上由岐視点プロローグ

鏡→司→ざくろ

 

 

本編

 

基本的には一本道です。

 

1章水上由岐(2)視点→
2章 間宮卓司視点(妄想)→
3章 ざくろ視点(孤立)→
4章 悠木皆守(2)視点(羽咲)→ 
5章 間宮羽咲視点→
6章 悠木皆守(1)視点過去編→間宮羽咲ED

→2章 間宮卓司視点(橘希実香√)

→3章 ざくろ視点(橘希実香√)

→4章 悠木皆守(2)視点(由岐)

→水上由岐(1)ED

→追加√

 

 

 

 

 

  個人的には羽咲EDよりも先に、橘√をやりたかった……!!

 それ以外は、わりかし良い順番で攻略できたのではないかと思います。

 

 

 

感想

 

  • 総評 : 面白かった!
  • クリア時間 : 41時間
  • グラフィック : 5/10
  • シナリオ
    ストーリー : 8/10
    構成 : 10/10
    セリフ:10/10
  • 音楽 : 10/10
  • システム : 3/10

 

 

 

 シナリオゲーなのでシナリオ重視で感想を書いていきます。

 

シナリオ

 

 あらすじ・ストーリーの時間軸自体は決して長いものではなかったが、それを文字通り色々な視点で見せていて、見せる視点の順番がめちゃくちゃよく考えられてることが伝わってきました。
 これがとても見事な構成になっています。

 

 かなり個人的な解釈を交えて感想を書いていくため、あしからず。

 

 ストーリーの開幕、
 プロローグでの由岐視点の時点では、細かいキャラクターの心境変化等や設定などひとまず置いておいて、
先にプレイヤーへ起承転結の、"結"の部分(見方によっては"転")を見せているのですね。

 これがプロローグとしての役割(キャラクターの性格等の紹介)と、作品全体のエピローグを兼ねていると考えています。

 

 次に、第1章で二人目(理想的な人格として)の水上由岐視点で全体のあらすじをプレイヤーへ観測させています。

 プロローグから飛躍するため(というか実際には戻っているわけだが)
それによって、プレイヤー側のミスリードを誘っている作り手側の意図や目論見が伺えます。はじめは夢オチかと思ったわよ
 (4章の智守君視点にてこれが理想的な人格である二人目の水上由岐であることがわかります。)

 しかしながら敢えて、この理想的な人格の水上由岐の視点を本編のはじめに持ってくることで、ストーリー全体を大きな感情の起伏なくプレイすることができます。

 

 

 そして第2章にて、狂ってる間宮卓司くん視点にすることで、確実にプレイヤーを混乱させようという意図を感じました。ホラーゲーと認識する人もいるのでは?

 ちなみに私は、この2章に入ってすぐの段階で多重人格ではないかと気が付きました。
ここで気がついてしまったのが本当にもったいない…
 深読みせずにもっと何も考えずにやれば良かったなぁ と。

 

 

 第3章は第三者ざくろという視点を通して、間宮くんを見ることで、プレイヤー側に主人公が多重人格か、あるいは何かしらの人格障害であることを確信させています。
 加えて、どういったあらすじで、どういったキャラクターの心境変化で、ざくろが飛び降りたのかを見せています。

 

 第4章の智守くんで多重人格や設定の答え合わせ、ないし、それぞれの人格における役割説明やキャラクターたちの感情を開示。

 

 この時点での私の考えでは、主人公の肉体が卓司くんのものだと思っていて、7年前に、マスターの娘の水上由岐、間宮羽咲の双子の兄弟は死亡している。
 そしてあと一人、(主人公)間宮くんの上にお兄さんがいて、死亡していると思っていたんですよ。

 作者のミスリードは天晴ですね。

 実際には羽咲の双子の兄弟が卓司くんで主人公本人の肉体が智守くんだったわけですなぁ。

 

 

 

 めちゃくちゃ個人的な感想を書くのならば、
 つい先日、『妹せいかつモノクローム』と『リドジョ』(七海ルート)をやってから、マイブームが妹萌えということもあって、羽咲EDはかなり俺得な終わり方でした。

 

 また、本作品はいじめを取り扱っている作品で、いじめられている側の視点がプレイヤーとなるため、非常に不快指数の高い胸糞なストーリーでした。

 確かに橘との百合EDでざくろが救われたという見方もできなくはないが、あの瀬名川とかいう教師といい、もう本当に許せない…

 ざくろをいじめていたあのヤンキーども、末代まで呪ってやる…

 

 

 わからなかったこと

 

 シナリオテキストでわからないことが少々、3点ほど。

 

 プロローグのラストで、列車にたくさんの幽霊が乗車しているのはわかるとして、

 

1. ざくろの「巻き込んでしまってごめんなさい」というセリフ。

 

 これはざくろの飛び降りを目の前で見た。あるいは、卓司人格では妄想の中での恋人になっていた相手が死んでしまった。というショック故に、
本来であれば、2012年7月20日に三つの人格がそれぞれの役割を正しく遂行していたはずだったが、過去のトラウマを刺激したことで卓司人格が暴走した。

 そういう意味での「巻き込んでしまってごめんなさい」なのかなぁ…
 正しく解釈出来ているか曖昧なところです。

 

2.  羽咲EDのエピローグでのジャーナリストとの会話で「違う学校の生徒なども集団飛び降りに関与していた」とあったこと。

 

 これは、「人はいつでも死に場所を探している」ということについて、語りたかったための前置きだったのかなぁと解釈出来なくもない。

 

 

3. 音無彩名

 

 結局のところ、シナリオにおいて音無彩名に関しては詳しく明言されなかったため、私の考えを書いてみようと思います。

 私の認識としては、このキャラクターは作品における観測者であり、どんな人の心でも存在する人格に、音無彩名というキャラクターをあてがったもの。

 つまり、もうひとりの自分がいつでも今の自分を見ており、
 ”自分自身を客観視する” 
 ”冷静に自分を見つめなおす” 
 という概念そのもの(俯瞰)に、人としての名前とイラストをつけたものなのかなぁ。と認識しています。

 作者等の作り手側のコメントなどは確認していないため、自分なりの解釈ですが!
過去作の終ノ空をプレイすることで、このキャラクターについてわかると友人に聞きましたが、どうなのでしょうね。

 

作品テーマ

 

 作品テーマについて少し触れてみましょう。

 ”最高な時はまわりがキラキラ輝いているから、眩しくて、自身がいま光の中にいることに気が付けない、それを認識できない。だから最高な時は最悪である。
 また、最悪な時は真っ暗の中にいるから僅かな光でも見つけられて、幸せを感じられる、認識できる。だから最悪な時こそ最高である。”

 

 この考え方というか、作品を通して作者がプレイヤーへ伝えたいメッセージは、『サクラノ詩』と『素晴らしき日々』に共通しているテーマだと認識しています。

 

 そのほかにも、

 

 ”永遠の中には時間は存在しないんだよ。永遠は瞬間に過ぎない。”

 

 この、永遠を瞬間へ閉じ込めるという考え方も、『サクラノ詩』との共通のテーマでしたね。

 これを相対性理論の観点から考えてみると、重力の強い場所では時間の進みが遅くなるといいます。
 ここで、絶対的なモノが光であるとしたとき、無重力空間においては光の進行を妨げるものはないが、重力場では光の速度が僅かに変化する(屈折などで遅くなる)。
 それによって、一日に何度も入れ替わる細胞の増殖速度や血液の循環などなどに影響を及ぼすことで、自身の思考速度、認識速度等にも影響する。
 だから例えば、地球よりも重力の大きい太陽で動作Aをしたとすると、自身の認識では、地球で過ごすのと何ら変わらないつもりで行う動作Aでも、実際には地球にいる人から観測したら、それはとても時間をかけていることになるわけです。
 故に”相対性”理論なわけですね。
 そして皆さんもご存じ、究極の重力場ブラックホールといい、ここでは絶対的なものとした光が進行できないため、時間が無限に存在する(と、認識できる)わけです。
 したがって、仮にブラックホールで過ごしている人Pがいたとしたら、(Pにとって)相対的に、我々の一生は一瞬と観測できる。

 えっちなゲームを攻略した後の感想で、何をイキって長々と書いているんですかねw

 

 ともかく
 『サクラノ詩』でも『素晴らしき日々』のどちらの場合においても、
 ”向日葵”という共通のキーアイテムが、生と死を象徴することなどを踏まえつつ、両作は全く気色の違う作品でありながら、作品のテーマは通ずるものがあり、作品を通して得られるものは類似しているのではないかと言えます。

 

 

 

追加ルートの水上由岐は収録したのが後日だったのですかね?
本編と違い過ぎて声優が変わったのかと思いました。

 

 

音楽

 

そして、なんといっても曲ですよね

 

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 OPとGEDとして登場した本作のテーマソング、
『空気力学少女と少年の詩』
枕/ケロQの公式通販で購入(写真左)

 

 サクラノ詩にてOP・GEDとして採用されいた『櫻ノ詩』をはじめ、
ED曲の『Pica pica』、『天球の下の奇蹟』なども収録されている、
サクラノ詩ヴォーカルCD』も一緒に購入しました(写真右)

 

 非常に素晴らしい。
これまで出会ってきた楽曲の中でもかなり優れた曲たちですとも。
このゲームの本編をやったことがない人でも、曲を聴いてほしいですね。

 

 

www.keroq.co.jp

 

 Amazonなどでも購入可能ですが、プレミアがついているため公式通販での購入がおすすめです。

 

 

 このメーカーのサントラは結局CDをゲームとは別で買うことになるのだから、『サクラノ刻』では初回版特典につけてくれるとすごく嬉しいです…

 

 

 

あとがき

 

 やや長くなりましたがこんなところです。
はじめにも書いたことなのですが、素晴らしき日々は鬱展開がある作品であるため、誰彼構わずお勧めすることはありません。

 しかし非常に優れたプロット構成の作品であり、私は作品のシナリオストーリーそっちのけで、
「うわ!この作者すげぇ…!」
となりました。

 『サクラノ刻』の期待値がどんどん上がっていっており、期待し過ぎが良くないとわかっていても期待してしまう…

 来年の2020年は、進撃の巨人の最終回や、シン・エヴァンゲリオンの公開、サマポケRBなどが控えている、我々オタクにとっての節目となる年です。
 同年にサクラノ刻が発売するかはわかりませんが、私はワクワクで胸がいっぱいです!

 

 

おわり

2019/12/20

 

 

 

 

追記(2020/12/15)

 

 どうやら10周年記念で特別仕様版が発売するらしいですね。

 

www.keroq.co.jp

 

 

 終ノ空がついてくるみたいなので購入します。(予約済み)

 

 初期ロット限定数販売という記述があるため、『戯画ロイヤルスウィートコレクション』や『グリザイアコンプリートボックス』のように、数年後には発売時の5倍くらいの価格になるんだろうなぁ…

 公式Twitterなどを眺めているとすごくパッケージが大きいみたいで…

 近年は『9nine』を筆頭にパッケージが非常に小さくなっていたり、電子版のみの販売であったりと”スマート化”が進んでいる中で、この時代を逆行するようなアンチテーゼっぷり。10周年という時間を感じさせます。

 いちユーザーの意見としては置き場所に困るから小さい方が助かりますが、
う~~ん、でも箱かっこいいし…難しいところですなぁ。

 

 

 

 シナリオライターのすかぢ氏がご丁寧に攻略順を解説してくださっているため、私は
『すば日々⇒終ノ空remake⇒1999終ノ空』で行こうと思います。

 作者的には、1999版はあまりやってほしくないのかな…?
 ここまでやってほしくなさそうにされると、逆に興味が湧くというのがオタクとしての性ですね。

 

 

で、サクラノ刻はいずこ……?

 

追記おわり(2020/12/15)