【感想】ATRI -My Dear Moments-

　驚異的なクリエイター陣から、ノベルゲームが作られるという情報が、昨年の終わり頃に発表されました。
　そしてその中に、大好きなすがぢ氏の名前を発見し、買うことを決意。
　（しかし、アートディレクター？？　この人、ほんとになんでもできるなぁ。サクラノ刻は・・・？あと3年くらいかなぁ？）

　同様に、”素晴らしき日々”などでも音楽を作っていた松本文紀氏の名前を発見。

　さらに”この大空に、翼をひろげて”の紺野アスタ氏がシナリオとのこと！
　ワクワク期待しながら発売を待っていました。

　前情報は一切無しでプレイするのが、個人的な嗜好であるため、以前から公開されていたOP映像などもノータッチ！
　体験版もノータッチで予約購入しました！！

感想

総評：めちゃくちゃおもしろかった。　期待以上
クリア時間：11.5時間
システム：高性能すぎ！
グラフィック：なんだコレ、綺麗すぎ
シナリオ：わかりやすい、おもしろい
音楽：これはずるい。
キャラクター：みんな好感が持てる。

1.システム

　新しいっていいね！

つい先日サービスが開始したOOPARTSのような感じで、
Android＆iOS スマホ、Mac、Winなどの、あらゆる端末からブラウザ版がプレイできます。

　私は、自宅でじっくり腰を据えてプレイするタイプの人種であるため、従来どおりダウンロードしてからプレイしましたが、遊び方の選択肢が多いのは時代のニーズに合っており、とても素晴らしいと思います。

　他のゲームもどんどん取り入れていってほしいですね。
ノベルゲームのユーザーが増えるいいきっかけになると思います。

2.グラフィック

　めちゃくちゃビックリしました。

アートディレクターがすかぢ氏であったため、当初の想定では
「どことなくサクラノ詩や素晴らしき日々のような雰囲気なのかな・・・？」

と、思っていたのですが、蓋を開けてみればびっくり。

何だ！　このクオリティ！

背景の一つ一つが細かくて丁寧のなんの。

　まさか、サクラノ刻もこのクオリティになるのか・・・？

　グラフィックチーフのゆさの氏、何者・・・

　アトリの表情が多種多様であるのにも関わらず、ちゃんとどれも”アトリ”なんですよ。

　立ち絵然り、夕暮れで笑うアトリのCGとか、なにこれ言語化不可能でしょ。
　思わずPCの壁紙にしちゃうくらいです。

3.シナリオ

　土日でクリアできるほどの、プレイしやすいボリュームですね。

　初心者の方でも、人生で最初に手に取りやすいノベルゲームだと思います。

　”この大空に翼をひろげて”と同様に、キャラクターの心の成長や、世界観の辻褄など、ロープラの割によく作り込まれていて、良かったと思います。

　閑話休題のタイミングなどは、プレイしていて心地良いシナリオでした。

　選択肢の構造も、一定条件を満たしていないと進めないタイプになっていたため、基本１本道でプレイしやすいと思います。
　（敢えてBADだろうと予想できる方を選んで先に回収したが、初見でもTRUEへ到達できるようになっているのかは不明）

　欲を言えば、フルプライスだったらもっと細かいところまで作り込んで、他のヒロインのルートなども用意できたのかなと思うと。水菜萌・・・凛々花・・・

　また、感情の起伏や葛藤、周囲のキャラクターの心情も、もう少しテキストボリュームさえあれば、よりよく書くことが可能であるクリエイターだけにもったいないことは否めない。

　そして、紺野アスタ氏のシナリオをやるとFRPにどんどん詳しくなっちまうぜ・・

4.音楽

いやぁ～～～、素晴らしい。

　購入し、起動してから数秒で気が付きましたよ。

タイトル画面のBGMで、既に神ゲーのオーラを隠しきれていない。

　音楽の力は偉大であって、たとえどんなにシナリオが拙いものであっても、音楽一つで良く見せてしまうものです。

　このゲームはシナリオが良くて、更にそこへ素晴らしい音楽がついているのですよ。

　これが優れていないわけがない。

　『いいシナリオ+いい音楽＝優勝』　ってわけです。

それにしても、曲の使い所ですよ。ずるいですねぇ。

私が一番好きなタイプです

「光放て！」　良すぎる。

他には、

「親愛なるあの日々へ」

「黄昏期の風景」

「こんにちは太陽」

「ごきげん戦闘ロボ」

「日々を刻む」

など、気に入った曲が多数あります。

　個人的に思ったことですが、「Dear Moments」と「光放て！」はなんだか、どことなく曲調が似ている気がしないでもないです。

　そしてこれは酷評ですが、声優に歌わせることには少し抵抗があるオタクなので、この点は少し微妙だと感じました。（声優を叩いているわけではない）

早くサントラを買いてぇ～～

さいごに

　個人的な雑記コーナーです。

ここのコーナーは若干のネタバレを含みます

たった２日でクリアしてしまったのが非常に悔やまれます。もったいない。
時間をかけてゆっくりプレイすればよかったなぁ‥

　ANIPLEXだから売れればアニメ化だとか、そういった多方面での進出が無いとも完全に言いきれませんが。
　最近の有象無象のアニメのように、生半可なアニメ化をするくらいなら、しないでほしいという気持ちも無きにしもあらず。
　ただ、（私は）ついさっき見た、CloverWorks制作であるCMの作画で作ってくれるのなら見てみたい気もする。

　近年はロープラの作品でも次々と”つよいげーむ”が発売していて、じっくり腰を据えてプレイがしたい古のオタクとしては、クリアするのに100時間くらいかかるような作品を、フルプライスで出してほしいとも思いつつ。

　それでは時代のニーズに合っていないため、売れないからこそロープラで出しているというのが現実ですよね。

　ATRIや9nine、グリザイアファントムトリガーのようなゲームがこれからのノベルゲームの形なのかなぁ

　とはいえ、なんだかんだ言っても、面白ければOKなんですけどね。

　ATRIの設定なんかは、景の海のアペイリアに若干の影響を受けているのかなっていうのも感じたのですが。どうでしょう。
　

わりかしありきたりな設定ではある（飲み込みやすくて助かる）ため、なんとなくそう感じただけかもしれません。

　たぶんATRIが好きだっていう人はアペイリアも好きだと思います。

　ゲームを比較するのは良くないというのは承知の上ですが、先に挙げたアペイリアは世界観設定や、シナリオの見せ方、全体像、キャラクターの掘り下げ方、どれをとっても”流石のフルプライス”なのですよね。

　そうやってよくよく考えていくと、やっぱりATRIを”R18フルプライス”でやりたかったな、という気持ちはかなり大きいです。

　せっかくこれだけの強力なクリエイターを集めたのだから・・・
　

　私的にはATRIのポイントはグラフィックと音楽です。

　グラフィックに関しては上述したとおりですね。非常に素晴らしい。
サクラノ刻が楽しみです。

　音楽なんですけど、本当に使い方が上手かった。

　アニメでもそうなんですけど、初期のOPを最終回の一番盛り上がるシーンで挿入曲で使ったりするのが最強だと思っているんですよ。
　デジモンアドベンチャー然り。
　けいおんの「ふわふわ時間」はOPでは無いですが。

（　そこから話は飛ぶのですが、ラブライブ（無印）は「その法則に当てはまりつつも、キャラクターたちがその曲を実際に歌った。そして頂点に…」という点が空前絶後のブームを起こした理由だと考えています。　）

　そしてATRIもそれら例に漏れず、TRUEのラストシーンでしっかり「光放て！」を流すわけですよ。

　これだけで、作品の評価がかなり上がる。
　それも、曲が良ければ良いほど胸熱なのです。

今月はサマポケRBも控えていますが、おそらく結構なシナリオボリュームになるでしょうから、お盆にでもじっくりプレイしようと思います。

おわり（2020/06/21）

オタクの部屋

漫画とアニメとゲームの日記　月1くらいで書きたいです