【感想】金色ラブリッチェ
ゴールデンタイムだ
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目次
前置き
前半はネタバレ無しです。
後半にネタバレありの感想を書きます。
ゲームの詳細等については、上記の公式サイトを参照 ということで省略します。
遅ればせながら、金色ラブリッチェ 金恋をプレイしました。
私、ギャルゲはそこそこの数をやってきたはずなのですが、実はサガプラ作品はこれでまだ4作品目です。
ナツユメナギサ、キサラギGOLD★STAR、はつゆきさくら、そして今作の金色ラブリッチェとなります。
(金恋GT、花咲ワークスプリングは購入済み。かけぬけ青春は予約済みです。)
すっかりサガプラにハマりました。
さっさとこの感想を書き終えて、続編である金色ラブリッチェ -Golden Time-をプレイしたい気持ちでいっぱいです。
攻略の順番
玲奈
↓
茜
↓
エル
↓
シルヴィア
↓
理亜
↓
トゥルー 及び CG回収
感想
プレイ時間:39.5時間
グラフィック:4/5
音楽:4/5
シナリオ:4/5
システム:5/5
はじめに結論を書きます。
金恋をプレイして思ったことは、
これまでやってきたサガプラ作品よりも断然面白い!!
具体的に箇条書きで挙げると、
- 作品全体、どのシナリオでも辻褄がよくあっている。
- キャラクターの心情の変化がとても自然で細かく、感情移入しやすい。
- セリフのセンスが非常に優れている。
- メインヒロインのシナリオにおける、ギャグとシリアスのバランスが良い。
- 作品を通してのテーマである、”金色”、”ゴールデンタイム”の概要は、『カッコつけること』ではあるものの、ヒロインごとにその特性が違っていて面白い。
詳しい感想はネタバレを含むため、後半にて記述しますが非常に良いゲームでした。
それだけに………
シナリオボリューム
プレイ時間 約40時間。
私はプレイ時間に関しては、中だるみせずに内容さえしっかりしていれば、特に気にしない人種であるため問題ないです。
むしろ最近のゲームにしてはボリューミーで、なかなかお買い得な気分になれました。
広げた風呂敷をしっかりと畳んだシナリオであり、メインヒロインはどのシナリオも綺麗に締めくくられているため、シナリオボリュームに関しては問題ありません。
音楽
オールクリア前にサントラを購入するくらいには良かったです。
特に好きなのは、通常ED曲『shining! our life』です。
フルで聴いてさらに好きになりました。ぜひ皆さんもサントラを買いましょう。
対して、グランドエンディング曲はいまいちでした。
例えばありきたりではあるのだが、
作中でキャラクターの心情が強く現れているような、”ここぞ”というシーン等でグランドフィナーレ曲のBGMを用いる。
(ちなみに、『各ルートで1回だけ流れる!』くらいの特別感は欲しい。)
その曲に歌をのせて、さらに、BGMのときよりも楽器の数が多いなど、BGMをパワーアップさせた完全体のものがグランドフィナーレ曲だと、ユーザーとしては文句なし。
常々口にしていることなのですが、音楽一つでプレイヤーにとってのゲームの価値は大きく変わるため、せっかくグランドエンディング曲を用意するのならば、是非ともこのくらい手の込んだ演出をして欲しいです。
それと、このご時世なのだからサブスクに参入して欲しいものですね。
Spotifyとか、AppleMusicとか。
サガプラさん、過去作を含めて特に良い曲が多いと思うのです。
かけぬけの発売前ですし、動き出すタイミングとしては悪くないのではないかな(というか、もしかしたらもう動いてる?)
下手にYouTubeなんかで無断転載されるよりは、手続きなどが大変でもサブスクで集金したほうが良さそう……
これは大きなビジネスチャンスを逃しているのでは…?
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システム
テキストスピード調節システム、いいですねぇ~
先日プレイしたサマポケでも似たような機能が搭載されていたのですが、オートモードを秒数で調節できるシステムは素晴らしい。
この機能がない場合、ゲームメーカによって速度がマチマチなのです。
しかし秒数で表記してくれることで、全てのゲームでテキストスピードを一定にできます。
けっこう嬉しい機能です。
あとは、ショートカット機能などがあれば なおよかったです。
(『A』でオートモードなど、あるいは任意で設定)
これはたまたまなのですが、8月1日にゲームを起動したところ玲奈の誕生日だったらしく、特殊な演出が入ったのには驚きました。
その日は起動するたびに、別のキャラがお祝いコメントをしており、それだけでかなり楽しめました。
こういうおまけ要素はとても好きです。
最近だとソシャゲなんかでもよくあるんですけども、まさかPCゲームでこういうのを見られる日が来るとは。
世の中に出回っている良いものを、どんどん取り入れていくのはとても素晴らしい。
他のゲームにもよくある機能ではあるが、『お気に入りボイス機能』もかなり気に入っています。
かなり個人的な事情ですが、ミナちゃんに「下郎」と呼ばれるのが好きすぎるため、気がついたらこんなことに。
もしかしたら私はミナちゃんに「下郎」と呼ばれるためにこのゲームをプレイしていたのかも知れない…
暇を見つけてはチェックマークを入れて『下郎ループ』をしています。
グラフィック
サガプラはいつも同じ人たちが絵を担当しているのか、個人的には好きな絵です。
今作はそれに加えて、水面が揺れるモーションやEXTRAの楽曲再生でぷちキャラが踊っているなど、細かいところまでよく作り込まれていて、ウキウキしながらプレイできました。
この立ち絵がかなり好きです。目が点になっているやつ。かわいい。
ここからネタバレ有りです
個別ルート感想
玲奈ルート
プレイ時間:8時間
玲奈は別に央路と付き合わなくても、ゴールデンタイムを歩めていましたね。
明確な目標や夢を持っていて、それを実現できる実力と環境がある。
はじめから全てを持っているキャラクターであり、作中の立ち位置を持て余すこと無くキャラの良さを発揮していたように思います。
余計なことはしないし、誰かが困っていたら助ける。
『いい女の子』だなぁと、しみじみ感じながらプレイしていました。
シナリオ自体は主人公の過去の掘り下げであったため、玲奈を深く知ることができたのかと聞かれると、若干戸惑うところ。
しかしながら、玲奈は完成された”金色”のキャラクターである故に、その魅力を引き出すのに、”金色になれていない・なれなかった主人公をサポートする”という形はベターだったのかなと思います。
玲奈と主人公は
”金色”を持っている者と、”金色”を手に入れられなかった者 という、対象的なキャラクター像でした。
ほかのヒロインのシナリオは、”金色”を手に入れる過程であったり、”金色”の時間を突っ切るあらすじであるなかで、この玲奈√はそれらのどれとも違う形式でした。
この点について考えると、このゲームは本当にシナリオ全体のバランスを良く考えて作ってあるなぁ と感じました。
個人的なことをいうと、玲奈√が初手であったことで、主人公の過去に唯一踏み込むシナリオにいち早く着手できたのは良かったのかなと思います。
もしも玲奈√よりも先に、エル√や茜√をプレイしていたら、気持ちのいい終わり方ができなかったのではないかなと。
振り返ってみるとそのように感じます。
(シルヴィはパッケージヒロインだし、初手にやるという選択肢はなかった)
茜ルート
プレイ時間:3時間
サブヒロインだから大目に見ますが、えっちばかりしていた印象。
無駄にお話を広げること無く、短いシナリオで完結したのは良かったと思います。
茜からの告白も意外とトントン拍子で進んで、あまり中だるみしなかったため、キャラクターの印象を悪くすることもありませんでした。
ちなみに、茜に関しても央路と付き合わなくとも、”金色”を手に入れられたのではないかなと。
いえ、まあ、サブヒロインなので深くは語りません。
共通での恋愛漫画パロだとか、このあたりの鰤ネタは面白かったです。
元ネタが週刊少年ジャンプなら通じる人が多いため、良いチョイスだと思います。パロネタは通じないと寒いだけですからね。
エルルート
プレイ時間:7.5時間
これは良かったですね。
シナリオ自体は『恋人のフリから本物の恋人になる』という、ニセコイかな?
テンプレートのものではあったが、このゲームの本質は別のところにあるため、変に設定を盛るなどして全体をかき乱すことは無く、全体の調和を重んじて作られていた点が良かったと思います。
終始、主人公がデクの棒でしたが、その原因はエルさんが完全無欠のキャラクターであるためですね。こうなってしまうのも仕方ない。
央路と付き合ったことで、自分の人生を全てシルヴィに捧げることに待ったをかけ、『自身の問いかけに耳を貸し、人生の根源を見つめ直す』 そんな”金色”を手に入れられました。
髪を乾かすシーンは読んでいて心地よくて印象的なシーンでした。
なぜここにCGを用意しない?無能か?
もう一つ欲を言えば、シルヴィのことをもう一度でいいから「シル」と呼んでほしかったかなぁ。
でもそれをやってしまうと、エロイナという厳格なキャラクター像が崩壊するため、やってほしくないという矛盾…
どうでもいいのですけど、猫プレイは理亜でやってほしかった気持ちも若干ありました。
シルヴィアルート
プレイ時間:8.5時間
小悪魔でしたね。かなり良いキャラクターです。とても好きです。
自分の意見はしっかりと全面に出し、なおかつ玲奈のように周囲への心配りを忘れずに、時に鋭い洞察力で物事の本質を見抜く。
何度も言いますが、非常に良いキャラクターです。
当シナリオは理亜√よりも前にプレイすることが強制されるわけであるが、なるほど。
一度目と二度目とで、別の見え方がありますね。
私の解釈についてはトゥルーのほうに記載します。
ミナちゃんに気に入られたいがために、料理マナーの正解を当てるまでセーブとロードを繰り返しました。
セーブとロードを繰り返すだけでえっちさせてくれるミナちゃん、もしやチョロいな?
さておき、当作は理亜ばかりがいいセリフをもっていっているのですが、実はミナちゃんママもかっこいいんですよ。考えさせられるセリフです。
理亜ルート
プレイ時間:5.5時間
本作、金恋における最も注目すべきシナリオはこれですよね。
結論から書きます。
萎えた……
と、いうのも。 良いですか。 これはゲームなんですよ。
私は「ご都合主義、上等!」なオタクなこともあって、物語はハッピーエンドで締めくくってほしいというのが、第一なんです!
フィクションなんだから、奇跡的な何かで助かるとか、愛のパワーで元気になったとか、いろいろあるじゃない。わざわざ殺さなくてもいいのに。
辻褄を合わせる、作品における”ゴールデンタイム”や”金色”の重み、それらに付加価値を与えるという点では、非常に優れたシナリオであることはもちろん百も承知ではあるが。
とにかく悔しい。納得せざるを得ないし、理亜が亡くなって終わることの理由としては十分すぎる。
ちくちょう…湖にさえ落ちなければ…
金恋をクリアしたあとは、花咲ワークスプリングをプレイする予定だったのに、このバッドエンドに引きずられて全くゲームをやる元気が出ない。本当に鬱になっています。
こうして、めちゃくちゃ感情移入をしてしまっている時点で、シナリオが優れていることは自明の理であるし、続編を購入した時点でもうメーカーの掌の上であるわけですが。
『死が確定することを示す、白煙のシーン』は本当に必要だったのかについて述べます。
新年の朝日を二人で見たタイミング、あるいは、モノクロのシーンが終わったあとのクリスマスイブのシーンのタイミングで物語は完結して、そのあと理亜がどうなったのかはあやふやなままENDでも悪くはないのですよ。
おそらく、他のゲームなら実際にそういうふうに終わるでしょうし。
しかし、葬儀のあとのパートがあまりにも強すぎて、白煙のシーンが必要であったと納得せざるを得ない。
エルさんや玲奈の励ましはとてもチープな一言なのですが、感情移入しすぎて泣いてしまった。
そしてラストのシルヴィとの屋上のパートですよね。
もはや多くは語るまい。
私の負けだ。
ちなみに、理亜のラストCGはおそらく解釈が分かれるところでしょうが、
私は生前解釈です。(主語がでかい)
本当にどこまでも理亜が主人公のゲームでしたね。かっこよすぎた。
彼女のセリフ ひとつひとつが、作品のテーマそのものに繋がっている。
究極的にはこれ。
『カッコつけねー人生なんてゴミだ』
トゥルー
プレイ時間:1.5時間
目次の欄でネタバレするわけにはいかないので、トゥルーという名目で置かせていただきました。
正確には 理亜√クリア後の、シルヴィ√ 2回目です。
偶然か、必然か。シルヴィと理亜とでは歩んできた人生が全く違うものであるのにも関わらず、最終的な”ゴールデンタイム”の解釈は一致しているんですよね。
瞬間的なものではなく、一生懸命な人生そのものがゴールデンタイムであると。
シルヴィ√と理亜√は、ふたつでひとつであることを示唆しているのではないかなと感じました。
シルヴィ√が金色ラブリッチェにおける、表側のEND
そして、理亜√が裏側のEND
一度目にシルヴィ√をプレイした段階では、『ただのハッピーエンドのギャルゲ』という感想しか出てこなかったのです。
CG回収のために理亜√をプレイした後に、半強制的にもう一度シルヴィ√をやることになります。
そこでようやく、このシナリオは理亜という大きな後ろ盾があるからこそ、ハッピーエンドで終わることができている とわかるのです。
だからこそ、ラストの理亜の「めでたしめでたし」というセリフで、本当に綺麗に物語が帰結していることを理解できます。
うーん。完璧すぎる。
『今日を楽しく過ごすことが、未来すべての幸せ』
共通ルートのラーメン屋で、シルヴィが発したこのセリフに則れば、理亜の言うこのセリフは未来視点なのでしょうね。死に際だからこそ出てくるセリフ。
まとめ
良いゲームなのは認めるし、超面白かったことに間違いはないけど、とにかく後味が悪すぎる…
もしかすると、今までやってきたゲームの中で一番後味が悪かったかもしれないです。
終わりよければ全てよしという言葉の逆で、本作の場合は終わり(後味)がよくないから、なんだか全体の印象があまりよろしくない。
いや、およそ完璧なシナリオなんですけどね。 ただの感情論です。
続編の-Golden Time-では理亜が湖に落ちることなく、もう少し長生きできているような ご都合主義展開を期待しています。
実際は、続編なんて必要のないくらい綺麗に完結しているのですけど。
良くも悪くも、ファンディスクとはそういうものでしょう。
城ヶ崎絢香
おそらくサガプラさんも続編を買わせるために、意図的にサブヒロインから外したのでしょうが、城ヶ崎さん√をかなりやりたいですね。
これだけ設定盛り盛りのキャラを攻略できないのは鬼畜の所業。
茜が解禁されるまでは、右側の隠されているシナリオは理亜か城ヶ崎だと思っていました。
初手で玲奈√をプレイし、城ヶ崎さんのデレを垣間見たこともあって、余計に。
えっちシーンは菊の比重がすごそう。 GTで攻略できるのですよね。楽しみです。
それでは、ウッキウキでGTをプレイしてきますノシ
おわり(2020/08/06)